ママみててね Vol.109

「平和を教える」

9月21日は国連の「世界平和の日」でした。この日には、世界中のモンテッソーリの学校が参加し、それぞれの国で時間を決めて、子供たちが平和の歌を歌いました。

歌を歌うにあたって3歳から6歳の子供たちに、「平和」という手で触ることも目で見ることもできないものについて話をしましたが、戦争や貧困、政治絡みの話などは子供たちには話せません。「お友達と仲良くしよう」「怒ったときは、どうしてそんな気持ちになったのか、考えてみよう」「代わる代わる言いたいことを言えば、喧嘩しなくて済むよ」「誰も喧嘩していないときは気持ちがいいよ」と子供たちレベルでわかりそうな話をしました。

こんな話で世界の平和に繋がるんだろうかという疑問もありましたが、いつかはこの幼児たちが大きくなって、世界を動かすことになるんだろうなと思うと、できる話はしておいた方がいいと思いました。

『平和を伝えるのは、私たちのモラルの責任だ。努力しなければいけないんだ。生きている間に成功するかどうかの問題ではないんだ。我々は、人間として正しい道を示す義務があるんだ』というのは、平和の日を設立するにあたってのダライ・ラマの言葉です。

文字や数字を教えるときのようにすぐに成果は見えませんが、子供たちの心に平和という種をまくことができればいいと思います。あと、もう一つ。子供たちは私たち大人の言葉だけではなく行動もよく吸収していきます。私たちも常に平和を心がけて行動で示せるようになるといいですね。

<アブラモフ 羊子>
京都生まれの京都育ち、同志社大学卒業。Concordia University 幼児教育学修士。2000年Golden Apple Award Finalist。2001年Kohl/McCormick Early Childhood Teaching Award受賞。現在モンテッソーリ・ランゲージ・アカデミーでDirectorを務める。バイリンガル教育のプロフェショナル。