ママみててね Vol.110

スクリーンタイム

幼児が画面の前で過ごすことの弊害については以前話しましたが、最近になって子供たちの脳や感情、アテンション障害への影響がさらに多く見られるようになりました。

今までは画面の前で過ごすことの多い子供たちは、肥満症になったり不適当な内容のものを見てしまったりという弊害だけでした。そうなると「うちの子は太っていないし、内容も教育的なものだから」とか「車の中はどうせ体を動かすこともできないから」ということでタブレットや電話を持たせてもいいという理屈になっていました。

ところが、タブレットなどを見て何時間も過ごしている子供は、受動的に情報を受け取ることだけに長けて能動的に問題解決するというトレーニングができません。また画面から脳に強い刺激がくるのが気持ち良いという体験が続くと麻薬をした時のようになり、そのような刺激か、もっと強いものを脳が求め続けてしまい中毒症に似た症状になってしまいます。

そうなってしまうと、手や身体や頭を使って考えなければいけない環境である「学校」にいる間は、集中できなかったりイライラしたり問題行動を起こしたり、という結果になります。

アメリカの小児科のガイドラインでは、18カ月までは画面の前で過ごす時間は0時間、6歳までは1時間以内ということになっています。しかし昔のように画面はテレビだけというわけではなく、タブレットや携帯電話など出先でも簡単に見れるので、私たち大人も意識して子供の前では気を付けたいですね。

<アブラモフ 羊子>
京都生まれの京都育ち、同志社大学卒業。Concordia University 幼児教育学修士。2000年Golden Apple Award Finalist。2001年Kohl/McCormick Early Childhood Teaching Award受賞。現在モンテッソーリ・ランゲージ・アカデミーでDirectorを務める。バイリンガル教育のプロフェショナル。