子供を退屈させてみる
子供思いの、子供が大好きなお父さん、お母さん方の中には、子供を退屈させないように、次々とおもちゃを与えたり、ゲームを考えたり、映画を見せたり、コンピューターを与えたりと、とても頑張っている方を多く見かけます。今回は、そんなお父さんお母さん方に少し手加減をしていただきたい、という話です。
子供たちの中に、常に外部から刺激を受けていないと「何をしていいのかわからない」という子をよく見かけます。そういう子供たちに、「自分で考えてごらん」とか「自由に描いてごらん」というと、とても不安な様子になります。このグループの子供たちの特徴は、「落ち着きがない」「集中力にかける」「はやとちりが多い」「繰り返しの練習を好まない」などです。
一方で、大人が一生懸命エンターテインしなくても、自分で考えて、低いレベルの刺激で満足できる子供たちもいます。こちらのグループの子供たちは、「我慢強い」「創造性がある」「繰り返して練習できる」などの特徴があります。
子供が退屈しているときは確かにいたずらも増えますが、いたずらをする時の子供は頭を能動的に創造性豊かに使っている、という見方もできます。子供が退屈している間も目を離さないで、子供の創造性が芽を出していくのを眺める、というのも楽しいものです。
ひょっとしたら、お父さん、お母さんのほうが「子供が退屈している時間」に耐えられないかもしれませんが、この冬、一度ぐっとこらえて、退屈している子供にリードされてみてはどうでしょうか?
<アブラモフ 羊子>
京都生まれの京都育ち、同志社大学卒業。Concordia University 幼児教育学修士。2000年Golden Apple Award Finalist。2001年Kohl/McCormick Early Childhood Teaching Award受賞。現在モンテッソーリ・ランゲージ・アカデミーでDirectorを務める。バイリンガル教育のプロフェショナル。