子供の手が離れる時の親の心のケア
相談者(S):結婚15年目、子供二人(中学生)の主婦です。子供たちも大きくなり、手もかからなくなってきました。世間一般的に考えたら幸せだと思うのですが、家族がいても寂しいと思うことがあります。この虚無感はどうしてでしょうか?普通のことでしょうか?
麻子先生(A):空の巣症候群といわれているものですね。ヒナが一人前になるまで一生懸命手をかけて育て、大人の鳥に成長したと同時にお互い離れていきます。人間も同じです。実際その親子関係はとてもヘルシーなことなのですが、やはりその時がきたら寂しくなってしまいますよね。子育てを一生懸命にしていたからこそ虚無感を感じたり寂しく感じたりするのでしょう。ある意味親として役目を果たしているからこそそう思うことなのです。
でも子供だけを生きがいに生きていくとバランスが悪くなり、実際に子供たちが家から出る時に払うココロの代償は大きくなってしまいます。子供を育てている時はどうしても子供中心の生活になり、自分のことは二の次、三の次とどんどん後回しになっていく傾向があります。ある意味自分という存在を忘れてしまうことが多いので、子供が離れた時に気分が沈んでしまい、軽い鬱状態になる人もいます。人間は急に変化に適応しようと思ってもその時の感情や思いがあるから変化しづらいものです。今から少しずつでも自分の時間を取ったり、自分の趣味を見つけてその時間を増やし、楽しむようにしたほうがいいかもしれません。友達と過ごしたり、夫婦での時間を今まで以上に作るようにすることはとても大切です。
S:そういう時は何かしたほうがいいですか?どんな考え方をすればいいでしょうか?
A:親として頑張った自分を褒めてあげることから始めましょう。そして今から少しずつでも「何をしようかな、自分を改めて見つけて楽しもう!自分の人生第二章を今からルンルン気分で楽しむぞ!」などと自分に語りかけるのは今後のあなたの生活に変化をくれる始まりだと思いますよ。人生はまだまだ長いです。虚無感や寂しい感情を持ってもその感情だけにとらわれず、楽しいことが待っていることを想定して前を向いて新たな自分を発見してみてはどうでしょうか?
<保市麻子カウンセラー>Asako Hoichi, NCC, LCPC
Mindful Professional Counseling
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