麻子先生の内緒悩み相談室 第13回

DVに悩む友達に何ができる?

相談者(S):友達の夫が暴力をふるうようです。言葉の暴力もひどく、「ぶっ殺すぞ」と日常的に言うそうです。人前ではすごく穏やかでいい旦那さまです。もう別れたほうがいいと私が言っても、子供が大きくなるまでは我慢すると言って聞きません。

麻子先生(A):まずはDV(ドメスティックバイオレンス)のサイクルを理解する必要があります。蓄積期、爆発期、そしてハネムーン期の3つのサイクルがあります。蓄積期は自分の身の周りの状況やパートナーを自分の支配下に置いて、コントロールしたいけどできないことへの不満度が少しずつ増えていく時期です。その不満度が限界となり、予期しないたわいもないことに対して身体的暴力を振るったり、暴言を浴びせます。爆発したことである程度ストレスが減少され、自分のしたことの罪の大きさに気づき相手に優しくなるのがハネムーン期です。ひたすら謝ったり、花を送ったり、もう二度としないと誓うわけですが、ゆっくりと蓄積期へ向かうのがDVのサイクルです。

加害者の特徴は、人前ではとても穏やかでよく気が付くなどがあります。そして被害者の特徴は、DVのサイクルからなかなか抜けられず、恐怖や不安から自ら抜けられないと信じてしまいます。精神的な依存状態に陥り、なかなか行動に起こせません。

S:私にできることはありますか?

A:助言しても彼女自身が今のサイクルから逃れるためになんらかのヘルプが必要だと認識しない限り、現実的にSさんにできることは限られているかもしれません。Sさんができることは、彼女の住んでいる近くのDVに対するカウンセラー、シェルター、ウェブサイトのリストなどを彼女に渡すことです。彼女自身が今の状況ではいけないと思った時に、それらの情報が役に立つことでしょう。そして「いつでも話を聞くからね!」というスタンスが大事だと思います。そうすることで、話をできる場所があるという安心感を持ち、必要な時は歩み寄ってくれるかもしれません。

<保市麻子カウンセラー>Asako Hoichi, NCC, LCPC
Mindful Professional Counseling
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