麻子先生の内緒悩み相談室 第22回

あがり症の対処法

相談者(S):高校生の娘がかなりあがり症です。でも、よく考えてみると私も子供の時は赤面症でした。特に初対面の人とうまく話せません。

麻子先生(A):挨拶をすると思うだけでドキドキしてしまったり、人前で話をするとあがってしまうのはまれなケースではありません。あがり症と呼ばれるものは、不安症のいとこのようなものです。原因はこれ!ということは言えません。そして遺伝が原因というのも立証されていないようです。あがり症の場合も、不安障害のように脳内の神経伝達物質の分泌量が過剰に増えることにより、交感神経が刺激され、脈拍数や血圧が上がり、動悸・震えなどの症状が起こりやすくなります。人前でスピーチをした時に恥をかいた過去の経験などがきっかけとなり人目を過剰に意識したりします。そして心配性、完璧主義、神経質な人はあがり症になりやすいといわれます。他人からの評価や相手がどう思っているかをとても気にするために、強い不安を感じる傾向がある
ようです。

S:どんな対処法がありますか?

A:一人でもできる簡単なスキルを紹介します。まずは、日頃からゆっくり深呼吸をすることです。症状が出てきても、深呼吸をすることでコントロールしやすくなります。この際に、深呼吸をすることだけにマインドを集中させる、「今ここにいる自分」に目を向けて集中するマインドフルの練習が役に立ちます。あがってしまう理由の一つは他者にどう思われるかが気になり、自分の行動に集中できず他者に意識が向いているからです。なので意識を「今自分がしていること」に向ける練習を日頃からしてみてください。そして「落ち着いて」「大丈夫だから焦らない」など自己暗示のプラスなセルフメッセージを自分に言い聞かせることも大事です。あがり症はいきなり治るわけではないですが、日頃から少しずつスキルを使用すれば症状も柔いでくるでしょう。

万が一、症状が続く場合は、お薬を主治医・精神科医の先生から処方してもらったり、カウンセリングを受け不安や恐怖を感じるパターンを認知し修正するスキルを学ぶこともお勧めします。あがり症は克服できますのであきらめずに!