体の時計と睡眠
体には時計があります。バイオ時計ともいい、自然に朝起きて、お腹が空き、夜には眠くなる、というサイクルで時間を感じます。この時計は多種類のホルモンによって制御されており、さまざまな外部の環境によって影響されます。例えば、夜眠くなるという現象は朝起きた時間や起きている時間に加え、外の日差しがなくなると目から脳内に分泌されるメラトニンが眠りを誘うのです。
体の時計の大部分は、副腎という臓器から分泌されるアドレナリンによって左右されますが、それとは別に胃腸などの消化器からのホルモンによっても影響されます。食欲を誘うのは胃から分泌されるガストリンであり、それが他のホルモン分泌の連鎖によって体内時計に影響します。食べ物が胃に入った時点で、膵臓(すいぞう)からインスリンやGLP-1が分泌され満腹感を感じさせます。そこで食欲はあるのに食べ物を胃に送られなければ、低血糖になってしまい、アドレナリンが分泌され、肝臓が脂肪を糖分に変えて体を支えてくれるのです。この分泌連鎖の仕組みはある程度記憶され、同じ時間に食べる習慣があれば自動的にホルモン分泌が始まります。そのため同じ時間にお腹が空き、同じ時間に満腹感を感じるという仕組みになっています。
それに逆らうとどうなるでしょう。朝や昼ごはんを習慣的に食べないと、最初はアドレナリンによって手の震えや動悸があるかもしれませんが、何日かするとお腹も空かなくなり、低血糖現象が起きなくなります。逆に、夜中や寝る前に食べる習慣を作ると、自然に毎晩お腹が空くようになってしまいます。
ここに時差を入れると面白い現象になります。メラトニンによってある程度暗くなると眠くなるはずですが、元の時差の食事の時間になるとお腹が空き、低血糖現象が始まり、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンは朝の起床時に必ず分泌されるので、外がまだ暗くてもお腹が空いていれば眠れなくなるのです。つまり時差ボケを早く治すには、食事の時間と日照時間を意識すればいいのです。
その他、性的ホルモンの上下や周期、そして気管支の拡張の上下など、生理的に働いているさまざまなバイオ時計があります。これらを意識して生活することは体への負担が減るので、ぜひ参考にしてください。
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