【第78回】海外で培った英語がより強い武器になる

 東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、日本の社会は大きく様変わりしそうです。それに伴い教育も新しい動きが起こります。

 まず、2020年度からの文部科学省の学習指導要領改訂で、小学5・6年生で英語が教科化され、小学3・4年生でも英語で活動する時間が設けられます。私立中学校では、すでに入試科目として英語を課す学校が増えつつありますが、その動きがより加速化し、学校だけではなく学習塾や英語学校でも英語を学習する子どもが増えることが予想されます。

 また、2021年度改訂の中学校では、グローバル化に対応した教育内容の見直しが行われますし、2022年度改訂の高等学校の英語でも、「読む、書く、聞く、話す」という4技能を伸ばすことを目標とする指導が行われるようになります。それに先立ち大学入試も改革が推進されており、2020年度から大学入試センタ―試験に代わって導入される新テストの英語では、TOEFLやTOEICのような外部テストを利用することも検討されています。

 大学入試では数年前から「グローバル入試」を導入し、英語力の高い受験生を獲得しようという大学が目立っていますし、グローバル入試のように英語力を重視する動きは、高校入試や中学入試にも波及しています。

 一方、2020年までに海外からの留学生を30万人に増やす目的で立ち上がった文部科学省のプロジェクト「グローバル30」は、いったん廃止になりましたが、当プロジェクトに採択された13大学を中心に、英語プログラムを設置する大学が増加しており、英語で授業を受けられる環境が整いつつあります。

 このように、日本国内の学校において、これまで以上に英語が重要視されています。そう意味では、英語圏で暮らし、英語で学んだ子どもたちの活躍の場が、ますます増えるといえます。

《執筆者》

丹羽 筆人(名古屋国際中学校・高等学校 アドミッションオフィサー北米地域担当 )河合塾での指導経験を経て、米国ではCA・NY・NJ・MI州の補習校・学習塾にて指導。現在はサンディエゴ補習授業校教務主任。代表を務める「米日教育交流協議会」では、日本語・日本文化体験学習「サマーキャンプ in ぎふ」を実施。他に、河合塾北米事務所アドバイザー。

●お問い合わせ先: nihs@ujeec.org(名古屋国際中高)