Takashi Murakami(村上隆)「タコが己の足を食う」展示会訪問@MCA

<あとがき>
最後の部屋に入ると、訪問者たちに挨拶をしているアメリカ人の紳士が目にとまった。ずいぶん背が高くて目立つ、その紳士の顔を見ると写真で見た顔だ。彼こそ、私の生徒のお父さんだった。思いがけない出会いに感謝し、ほかの訪問客の邪魔にならないように挨拶をした。なんでもMCAのChief curatorであり、博士号を持っている学者さんだが、私には生徒の父親の顔で挨拶をしてくれた。
MCAを後にして帰途についたが、村上ワールドの毒気にあたったのか、疲れきってしまった。MCAの中で一人の若い女性に感想を聞いたところ、「素晴らしい、もう4回もこの展示会に来ているの」と言っていた。やはり村上ワールドは若い人々を魅了する毒気の力がすごいのだ、と感服した。私ももう一度訪れたい、と思って日程を調べると、10月からボストン、来年1月からローマ、その後はモスクワと決まっているそうで、いまや人気絶頂の「世界の村上」だ。シカゴで見ることができたのはラッキーだった。大学で、「村上隆」のTシャツを着ている学生に会うと、氏の作品を思い出す夏の日々だった。

文、写真:安納恵子