高血圧の治療目的
高血圧、という病気は良く耳にすると思います。成人病、生活習慣病の中でももっとも代表的な病気です。高血圧と診断される人の中には具体的な症状がある人とない人といますが、その大半は症状があっても感じない、気が付かない、という方です。よくある会話としては、
「高血圧の薬はいつから飲んでますか?」
「うーん?10年くらい前からかな。」
「症状はありましたか?」
「とくに覚えてませんね。先生、私、もともとは血圧低いんですよ。」
「お幾つぐらいから?」
「50歳頃から高いですね、と健康診断で言われたような気がします。」
しかし、問診してみると、頭痛がある、ムカムカする、足首に靴下の跡ができるようになってきた、だるい、動悸がする、などの症状がある方が多いようです。頭痛も40代までは時々で、50~60代になってから肩こりと後頭部の頭痛が始まってきた、とおっしゃる方も少なくありません。
高血圧は心臓病、と思う方が多いと思いますが、実は腎臓の病気なのです。腎臓は血流と血圧を感じながら体内の水分の量を調整するので、体の貯水ダムのような働きをしています。血圧が低いと尿を作らないようにして、血圧が高くなると尿を作ります。高い時は尿の製造が活発になるだけでなく、体内の血管を拡張させるホルモンを分泌して血圧を下げようとします。
血圧に影響されやすい内臓は脳、心臓、腎臓の3つです。これらの臓器は臓器内の血管が行き留まりとなっていて逃げ道がありません。血圧が高いと血管を拡張させる場所が狭く、臓器全体が影響を受けるのです。他の臓器(肺、肝臓)は太い血管の先に蜘蛛の巣や綿のような毛細血管があるので、例え血圧が上がったとしても血管が破れたり周りが硬くなったりしにくいので大きな病気になりにくいのです。脳、心臓、腎臓はそれぞれ血圧が高い状態が続くと時間の経過とともに脳梗塞、心不全、、腎不全を引き起こします。
人間の血圧には変動があります。何秒単位で変動することもあります。気性が激しい人ほど変動するのでコントロールが難しくなります。最近では昔の薬と違って薬を止めることによるリバウンド(薬を止めることで血圧が余計に高くなる)という現象は少なくなりましたが、決められた時間にきちんと飲むことで変動の幅を抑えることが目的なので医師の指示に従ってお薬は飲んでください。よく薬を飲み始めると一生止められないと思う方がいますが、血圧が上がるのは加齢現象の一種なので薬を止められないのではなく、民間療法のみでは血圧のコントロールは難しくなるということです。
その民間療法というのはどれぐらい効果があるのでしょうか。一般的に食事療法、漢方、マインドフルネス、運動などの影響は15ポイントほどの下げる効果があります。高血圧の初期の場合はこれらの方法だけでコントロールできるでしょう。しかし血圧は50歳を過ぎると、およそ10年に10ポイントほど上がることもありますので、いずれは1〜3種類の薬が必要となってくるでしょう。もちろん、日々の生活習慣改善もとっても有効な予防手段です。
35歳を過ぎたら定期的に健康診断やヘルスフェアーで血圧を測定しましょう。
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