昨年を遥かに上回る来場者が2018年の新年を盛り上げるべく集結したシカゴ日本商工会議所の新年会を密着取材。
戌年の2018年Renaissance Schaumburg Convention Center Hotelにてシカゴ日本商工会議所(以下JCCC)の新年会が今年も盛大に開催され、昨年より100名程増えた900名もの参加者がこの日の寒さを吹き飛ばすかの様な熱気で会場を包んだ。
日米国家斉唱からスタートした今年のJCCC新年会は昨年に続き会頭の清水和生氏(キッコーマンフーズインク)による開会の挨拶にはじまり、伊藤直樹在シカゴ日本国総領事による来賓の挨拶では、日米の経済発展、草の根キャラバンについてや、シカゴ大阪姉妹都市45周年など奥深い内容が話された。そして、今年はなんとイリノイ州よりBruce Rauner知事と奥様のDiana Mendley Raunerさんが初参加されイリノイ州における日本企業の関連性や、自分と日本との繋がりなどをスピーチされ、興味深い時間となった。次に、シカゴ双葉会日本語学校補習校高等部3年中野幹太くんによる本年の抱負が発表され、その後澤木信宏双葉会会長の挨拶、そして恒例の2017年度の会頭、専務理事への感謝状贈呈へと進み、Al Larsonシャンバーグ市長による乾杯の挨拶と音頭によりお楽しみの食事がスタート、そしてスペシャルゲスト南こうせつさんのショーへと続いた。
老若男女の心を話術と歌で掴む南こうせつさんが披露した10曲以上もの心に染みる曲は、会場を盛り上げ新年のスタートに相応しい楽しく幸せなステージとなった。アンコールではアメリカでも有名な「上を向いて歩こう」を南こうせつさんの歌声に続き参加者も一緒に歌い、会場が一体となり終演となった。
そして最後は皆さんお待ちかねの豪華な福引とジャンケン大会へとなり、豪華賞品が続々発表され会場は最高潮となった。
最後は2017年度専務理事(東京海上日動火災保険)の田治敦浩新年会実行委員長による閉会の挨拶と三本締めで2018年度JCCC新年会が幕を閉じた。

会場が大いに盛り上がる話術と引き込まれた、南こうせつさんにインタビュー!

-こうせつさんは実家がお寺で三男として生れ、フォークシンガーと全く違う世界で育ったのは本当ですか?
南さん:そうなんです、しかも大学はミッション系の明治学院大学とは面白いですよね。4人兄弟の末っ子と言う事もあり、自由にさせてもらいました。小学校4年生でエルビスプレスリーに目覚め洋楽に走りました。ギター一本で素敵な歌を歌っている、それがサイモンとガーファンクルだったりジョンデンバーだったりとバンド無しでも色々な事を表現できる、それが戦争であったり環境問題であったりそこに気が合い魅力を感じました。
-東京に行くために明治学院大学を選んだと言われていますが?
南さん:地元でも関西でも駄目だったんです。僕の中では絶対東京だったんですね。聴いていたヒットチャートの番組も活字で出てくる情報も全部東京で、時代の風に吹かれるにはどうしても東京だと思い選びました。
-声や高音も昔と今も変わらず歌っていらっしゃいますが?
南さん:神田川など、どの曲もオリジナルキーがあるのでそれは今迄変えずに歌ってきましたが、年齢を重ねると声帯は筋肉ですから、どうしても衰えてきますよね。声が変わるとギターのコードと違ってき、響きも変わってきてしまうんです。ですのでオリジナルのキーは変えずに歌っています。
-大分県杵築市にお住まいですが、仕事が無い時はそちらで何をされていますか?
南さん:僕は早くして歌が売れたので、音楽家として人として幸せになれたらと言う次なる課題にぶつかりました。東京で忙しくしていたので自然の中で暮らしたいと言う思いがあり、不動産屋に杵築市の今の場所を紹介してもらったのですが、そこはみかん畑を辞めた方の土地だったのです。みかんの花咲く丘の歌が流れる様な場所で何とも言えない懐かしさを感じ「あっ、ここに住むんだ。」と直感し、それが今住んでいる杵築市で住んでもう30年以上にもなり草木を育てたりしています。
-最近の曲はどんなものがありますか?
南さん:向かい風に立つ事が好きで、いつまでも向かい立ち、まだ誰も行った事の大地に行こうと言う歌の「緑の旅人」や東和薬品で黒柳徹子さんとコマーシャルしているのですが、そこで歌っている「微笑みに出会うために」があります。
-新年会の前日に恒例のシカゴ双葉会日本語学校補習校訪問がありましたが、子供達は「楽しかった!」と大喜びだったと聞いています。子供達までをも笑わせる、その面白い話法や掴みはどうして出来るのですか?
南さん:子供だからと何かを変えるのではなく、同じ人間なので人間の目線で話しているだけなんです。同じ位置に立って話していますが、僕は人生経験が長いのでその違いはありますが、嫌な物は嫌、綺麗な物は綺麗と同じ目線で話しているだけなんですよ。
-今回補習校の子供達と接して、日本に住んでいる子供達と何か違いはありましたか?
南さん:日本の子供達の場合は、先生や友達、周りに気を使って気にして話す所がありますが、それに比べるとシカゴの子供達の方が何と言うか、表現が自由な気がしました。
-シカゴにいらして、どこか行きたい所やしたい事などありますか?
南さん:ミシガン湖の畔のカフェなどでお茶をしたいですね~でも余りに寒いようで、先程写真を見ましたが湖が凍り付いちゃっていてこれは無理だと思いました(笑)寒さの質が違いますね、東京でも零下を下回る事がありますが、レベルが違います!
-今回のコンサートの選曲は何か理由がありましたか?
南さん:かぐや姫のファンの方達も大勢いらっしゃると聞いたのでその頃の歌も歌おうと思ってきました。
-今年の抱負、目標は何ですか?
南さん:去年の目標は現状維持だったのですが、今年は静かな前進、静かな改革です。来年僕70歳になるんですよ。(取材者一同エーッ!と叫ぶ)
-南さんがステージに登場した時に観客の皆さんが「若い~」「変わらない~」と言っていたのは聞こえましたか?
南さん:本当ですか?嬉しいなぁ。ある雑誌にかつら疑惑が出たんですが、これ地毛、本物ですよ(笑)
-音楽の影響を受けた方は誰ですか?
南さん:ピーターポール&マリーの「500マイル」や「花はどこへ行った」とかサイモン&ガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」などには影響を受けました。それ以外にもその頃の曲を本当にたくさん聴きました。丁度シカゴで好きなキャロルキングがコンサートするみたいで、それどうしても行きたいんですよね~。
時差ぼけも癒えぬうちの新年会のショーが終わり、少しも疲れを見せず終始ニコニコ笑顔で優しく丁寧に質問に答えて頂き、人柄の良さが伺えた。そんな時間を後にした南こうせつさんだった。