太鼓レガシ―14、リダクション5を公演終えて
2017年12月に行われた、地元ではおなじみの年末恒例パフォーマンスである太鼓レガシーとリダクション。今年で14年目を迎えた司太鼓の総合ディレクター タツ・アオキ氏の新作、太鼓レガシー14とリダクション5の2つの作品を一目見ようと多くの現代アートファンに会場を埋め尽くされていた。
タツ・青木氏が率いる「太鼓レガシー」と「リダクション」は、江戸の伝統芸能と音楽、シカゴジャズを融合した現代音楽の作品を毎年12月に発表している。またスペシャルゲストで、毎年日本古典芸能で活躍されているアーティストを日本から招いて、日本の古典芸能を組み入れる舞台を観賞できるのは、タツ・青木アートだからこと完成されている。開演中は瞬きが出来ないくらい舞台に入りこんでしまうほどの迫力と感動を引き寄せる90分間である。
12月16日 リダクション5

全5演目、今回のみどころは八王子車人形と女性7人が叩く、パーカッションのコラボレーション。 リダクションのテーマは和太鼓をいかに現代アートの接点もつなげていくか、音楽芸術実験のようなもの。今回は太鼓の場面を多く取り入れた演目に構成されている。伝統芸能・八王子車人形の五代目家元の西川古柳である。西川氏は今回は初参加、八王子車人形とは、箱形の車に座り、一人で人形を操る特殊な人形芝居だ。西川氏は世界的に有名な車人形師である。青木氏が若い頃に所属していた「銀天界」という楽団では、文楽や歌舞伎役者やモダンダンサーが演目で使われておりました。リダクションはテーマ的には当時の再現なので、今回のショーの見せ場にしたいと考えておりました。次に女性7人が演奏するコンガ、パーカッション、鼓、締太鼓、中太鼓、大太鼓の和洋パーカッションのコラボレーションは、青木氏が置き屋で育ったから知る女性のパワーを見て欲しく感動して欲しいとの思いで出来た作品ある。

西川氏に今回のショーについて伺ったところ、「青木氏が率いる舞台は、シカゴに来てから初めてわかる。日本とは違って感性を大事にするイマジネーションの演技を必要としていて、自由すぎてどう表現していったらいいのかが迷い、戸惑いがあったが、楽しい、日に日に違う手を見ることが出来て、日本では出来ないことを試すことができたし自分磨きの公演かなと気がします」とシカゴで演技をする楽しさを伺うことが出来た。
12月17日 太鼓レガシー14

全10演目、司太鼓より選抜されたメンバー最年少は10歳をはじめ32人がパフォーマンスをする。メンバー達は太鼓レガシーの舞台の選抜される為に、人一倍練習して舞台に選ばれている。今回は組太鼓1曲、銀天界のオリジナルで構成されている。青木氏は常に心掛けていることは、日本の感性に満ちた美学になった太鼓は叩けるか。パワードラムではなく、江戸太鼓をパフォーマーに教えているので、今流行りの太鼓演奏のスタイルとは違った感性の和太鼓を一度は体験してほしい。心に太鼓の音響き感動が得られるだろう。
タツ・青木氏から皆さまへ
全てのパフォーマーは、太鼓レガシーの舞台の為、毎回お稽古に励んで頑張っておりますので、これからもどうぞ応援の程お願い致します。昨年20周年で一つの一区切りでありました。21周年はどうやって、司太鼓を育てていくか、また次の世代に受け渡す準備をやっていこうかなとも考えております。今年の年末に皆さまとお会いすることを楽しみにしております。

太鼓レガシーのフィナーレの前に、青木氏は2017年イリノイ州政府文化貢献賞、外務大臣表彰を伊藤直樹在シカゴ総領事より表彰状が授与された。
( 文:道満 訓枝、Photography: Ken Carl )