帰国生入試では、受け入れ校にて受験資格を定めており、まず、海外在住年数が重要です。海外在住年数は、2年以上という学校が多いですが、中には1年以上でよい学校もあります。また、海外在住は保護者の転勤によるものとし、保護者の勤務先の在職証明書の提出が必要な学校が目立ちます。
一方、帰国後の年数も定められています。帰国後1年~2年以内という学校が目立ちます。中には、海外在住年数と同年数、例えば海外在住4年なら帰国後4年以内まで受験可能という学校もあります。このため、早期に帰国し、日本国内の学習塾などで帰国生入試の受験対策をする方もおられます。
受験資格として注意しておきたいのは、受験時の現地校の学年です。高校入試では、公立高校の多くでは、9年間の教育課程を修了していることが必要です。したがって、日本の学齢では中3でも、4月の入学時点に現地校の9年生を修了しないと受験できません。このような場合には、高校入試の前に帰国して中学に編入し、卒業する必要があります。ただし、私立高校の多くでは、入試に合格し、中学卒業と同等の学力があると判断されれば、入学を認めています。高校編入でも、10年生を修了していないと高2に編入できない学校もあります。
小中学入試では、義務教育段階でもあり、日本の学齢通り入学できる学校が目立ちますが、中学入試では4月の入学時点で現地校の6年生を修了していることが必要という場合もあります。このように、帰国生入試の受験資格を確認し、帰国のタイミングを考えることも大切です。

《執筆者》
丹羽 筆人(名古屋国際中学校・高等学校 アドミッションオフィサー北米地域担当 )河合塾での指導経験を経て、米国ではCA・NY・NJ・MI州の補習校・学習塾にて指導。現在はサンディエゴ補習授業校教務主任。代表を務める「米日教育交流協議会」では、日本語・日本文化体験学習「サマーキャンプ in ぎふ」を実施。他に、河合塾北米事務所アドバイザー。
●お問い合わせ先: nihs@ujeec.org(名古屋国際中高)