祝10周年!シカゴ寄席 さん喬師匠・正蔵師匠 二人会 【JPN/ ENG】

時に切なく、涙流しながら笑う、シカゴで観る日本の伝統芸能

 去る7月16日に今年で10回目を迎えたMスクエア主催のさん喬師匠と正蔵師匠よるシカゴ寄席がHarper College内のPerforming Arts Centerにて公演が開催された。今年は例年を上回る来場者を迎え、子どもから大人まで、年齢を問わず賑わっていた。来場者には日本の寄席や歌舞伎座でお馴染みの「助六弁当」が全員に配られ、日本の演芸場の寄席の会場に訪れているようであった。今年も華やかな着物や浴衣を身にまという方も見受けられ、日本の伝統文化を目でも楽しめた。
 第1部はさん喬師匠、正蔵師匠の順で「刻そば」「一文笛」、仲入りを挟んだ第2部は正蔵師匠、さん喬師匠の順で「新聞記事」「掛け取り」の計4席。第1部ではさん喬師匠の話芸に会場が江戸へタイムスリップしたような、職人芸がひかる蕎麦を食べるシーンでは本当に食べているような音が会場に響きわたり、落語の面白さを表現した一席だった。次に正蔵師匠による「一文笛」では、ジェットコースターのように笑いあり、涙あり、と最後まで聞き逃せない一席であった。第2部では正蔵師匠の声の強弱とテンポのよい掛け声落語で会場が温まり、最後の一席のさん喬師匠による「掛け取り」は日本文化の誇りである落語の無限大さを目の当たりにした一夜であった。公演を終えたお二人に話を伺った。