「Chicago Gourmet」で和牛を語る!格之進レストラン社長・千葉祐士インタビュー
-今回「Chicago Gourmet」に参加することとなった経緯をお聞かせください。
勝村伸子さん(Yoshi’s café オーナー)が日本のテレビ番組を見て私を知り、勝村伸子さんも岩手県出身で、私が「一関と東京を食で繋ぐ 岩手を世界に届ける」をテーマに、一関市を中心とした岩手の食材を東京に繋いで、世界に岩手を届ける事業を行っていることに感銘を受けてくださり、勝村伸子さんが何度か私に会いに来てくださったときに、伸子さんが、「シカゴで岩手県の食を発信したい」というお誘いを頂きました。勝村伸子さんが在シカゴ日本国総領事館に格之進の事業を紹介し、伊藤総領事がプライベートで帰国の時に、六本木のレストランに食べにきてくださいました。シカゴにはないスタイルとのことで楽しんで頂いた様子でした。正式に在シカゴ日本国総領事館から「Chicago Gourmetと和牛・酒のPRイベントに、ぜひ千葉さんの和牛に対する想いをシカゴの方に知って頂き味わって欲しい」というお声を頂き、今回実現することになりました。
-千葉さんが一般企業から起業した経緯をお聞かせください。
岩手で牛の目利きを生業とする家に生まれ、27歳の時に故郷に戻り、生産者がダイレクトマーケティングするビジネスをはじめました。地元のいわて南牛をブランディングしながら一頭全ての様々なお肉の部位を最適な状態で販売し地域全体の食材をお店で提供することにより、食べていただく消費者と生産者を繋ぎ一緒に日本の未来の食をデザインする活動を目指しております。そして一関を中心として岩手の食材を東京で広げる為、六本木を中心に様々なシーンに合わせたスタイルのレストランを展開をしています。私たちの地域でも人口の過疎化が進んでおり首都圏から岩手に来て欲しいという願いもあり、現在も住んでいる私が卒業した後、廃校になった小学校を本社にして体育館をハンバーグ工場としてリノベーションをし東京を中心に全国に販売し、東京と一関市を食で繋げていき、地域に人が集まって、地方の素晴らしさを伝えるようなハブにしていきたい、格之進がそのプラットフォームになっていきたいと考えています。
地方と首都圏の人達をダイレクトに繋げていくと、首都圏にあって地方にないものとその逆があります。もっていない価値の交流ができる場となることを目標としています。首都圏の人たちから高く評価されると、生産者は誇りを持ち、さらによいものが生まれていくと思いますし、私は消費者のことを投資家と呼んでいます。働いて得たお金を消費する際にその消費したお金がどこに流れているのか⁇、流したいのか⁈を考えて欲しいと思います。一生懸命働いたお金を理想とする未来に繋がるように…そして次世代に受継がれるように使ってほしいと考えています。
-シカゴのレストランの肉料理は召し上がりましたか?
はい、いろんなものを食べました‼︎美味しかったです 。先ほどもAllen Brothersという肉の卸売屋に行ってきて、肉のクオリティーが高くて食べたらおいしいんだろうなと思いました。和牛と和州牛は別の物ですので比較することができないと思います。
和州牛は和州牛。日本産の和牛は別物として認識して頂かないと誤解して伝わってしまっております。日本国外の人は和牛が日本から来ていることを知らない為、和牛? WAGYU?どこ産?など混乱が起こっています。今後は、日本産の和牛は別の言い方で広めた方が、リマーケティングしやすいと思います。
-最近東京では、「熟成肉ブーム」でニューヨークのステーキレストランが進出しているニュースを聞きますが、アメリカから日本にステーキハウスが進出したことについて今感じていることを教えてください。
格之進が展開している街・六本木にはニューヨークから有名なステーキレストランが5件も来てます。六本木は日本で一番の肉の街になってます。今回の「Chicago Gourmet」の目的は日本産和牛を知ってもらう事と食べ方ですね。シカゴでの肉の食べ方は、ステーキとポテトの厚切りが肉のうまさを引き出す食べ方だと思います。和牛の本来の食べさせ方はステーキではないと考えております。アメリカのステーキだったらサーロインの方がうまみがつよい肉なので、霜降りではないんですよね。和牛文化は薄切り文化なので、切り落とし、しゃぶしゃぶやすき焼きなどのサイズに切って一面あたりの脂肪の量をコントロールして、脂をどのようにおいしく食べさせるのか?を考えるような味付けをすることがアメリカでの展開を成功させることにつながるのではないかと思います。最近では、ジャパニーズサーフ&ターフ(山海の幸)という、牡蠣、雲丹、イクラ、カニと和牛を融合させた料理も格之進で提供を開始し、日々開発に力を入れています。
「Chicago Gourmet」をきっかけに、いつかシカゴのたくさんのお店で和牛を味わえる日がくることを願いつつ、東京に旅行するときは、熟成肉専門店「格之進」レストランを訪れてみたいと思う。
By Kunie Dohman