【その空気は見えない】藤村明世監督インタビュー

遠くない未来を考える【Ten Years Japan/ その空気は見えない】藤村明世監督インタビュー

-シカゴは初めてですか?
はい。
-アメリカにはよく来られますか?
観光で、ロスとNYには遊びに行ったことはあります。
-どっちが好きですか?
どちらも好きなんですけど、気候がとてもよく陽気な感じするロスが気に入りました。
-ロスとNYに行かれた時はミュージカルは観に行きましたか?
はい、NYのブロードウェイでCHICAGOを観に行きました。すごく良かったです。
-Asian pop-up cinemaに出品された心境をお聞かせください。
ソフィアさんから話がきたのが今年入ってだと思います。10 years Japanは5人の監督が作ったオムニバス作品なので、5人で講演や舞台挨拶は順番で回していて、今回は私の番だったので、アメリカ・シカゴに行ける機会を頂きました。
-国外では初めての上演になりますか?
去年の10月、韓国の釜山で行われるアジアで一番大きな映画祭でワールドプレミア(初プレミア)をして、その時は5人の監督みんなで行きました。その時は、いたずら同盟で出演した日本や韓国で人気な國村隼さんとトライしてくださりました。たくさんの方に観ていただきました。
-韓国は、映画に対する思い入れは日本と違いましたか?
日本にも東京国際映画祭があり私も行ったりしますが、そちらの客層よりも若い人が来ている印象を感じました。また映画祭に来ていた方や町中で仲良くなった韓国人と遊んで気付いたことが、日本の文化をよく知っていることや日本に興味はあって、日本人が海外に興味があるよりか、韓国人は外に向けて意識をもっていることを感じました。
-そうなんですね。
日本映画も結構知っていて、私の映画を観たよとか声をかけてくれたりして、韓国人の熱意はすごいなと思いました。
-今回アメリカで上映する気持ちをお聞かせください。
アメリカではハワイで上映していて、本土では初めてになります。シカゴでは、どういう風に観てもらえるのかな?って思います。アジアでは韓国と、台北の金馬映画祭にプレミアした時、私が行って、その時は、アジアだからすごく興味がある人が多かったんですけど。
-日本人はいましたか?
日本人は何人かはいましたが、ほとんどが現地の方でした。アジア以外の国の人からの反応を直接聞くのは初めてなので、今から楽しみです。
-「10年後」は日本での反響はいかがですか?。
公開後できるだけ、劇場に行ってお客さんの声を直接聞くようにしていたんですけど、5本全部並べてみて、暗いね~て言われて確かにそうだなと思いました。5本全てラストがわからないように話なので、どっか余韻がのこり、ふわっと終わる流れなので、お家に帰って考えるきっかけになりそうだねとか、忘れていたことや、目を向けなければいけないことが見れた様な気がします。作品を作った意義がある。良かったなと思います。
-短編映画は最後どーなったんだろうという終わり方が多いかと思いますが、シーンの中でヒントは物語の中にありますか?
私は作品をそれぞれの見た方中で広げていってほしいと思ってます。明確や種明かし的なことはしたくはないと思っているんですけど、その現場とか役者さんには種明かしをして自分の中で答えが出て演じてもらってます。
-子役の主役の方は理解していたんですね。
どこまで理解していたか分かりませんが、頭のいい子です。
-撮影場所はスタジオなんですか?
福島県の岩城にある、廃墟地になっている大きなホテルで撮影しました。、バブルの時に作っていたらしく、バブル崩壊をして、ホテルは完成出来ず、7割の状態で途中で終わってしまったようです。現場は迷う程の広さでした。本作品は、地下から上に出ることをしたかったで、ぴったりの場所でした。
-印象深いシーンや好きなカットをお聞かせください。
ちょっとファンタジーになっているアニメーションが入ってくるシーンです。アニメーションはみずきの思い描く外の世界を再現したイメージであり、見せ場のシーンなので、絶対やりたかった技法なので楽しくやれました。
-今回10年後の未来は作っている時にこの作品を通して言いたいこと
子供の好奇心が強いなと思って自分の作品で子役をいつも出しているんですけど、好奇心を抑圧させるような未来にはなってほしくないことと、考える目をそむけていたら、予想もしていない未来になってしまうことを伝えたかった。悪ものを見ないとしていたら、どんどん悪い方向に行ってしまわないかなと考え「その空気は見えない」というタイトルをつけました。皆さんが、目を背けていてほしくないですし、観に来て下さった方が一度考えて欲しいですね。
-是枝監督からのオファーを受けた時の心境は?
今回はオファーではなく、コンペのような感じで是枝監督の他に5.6人かのプロデューサーがいて、そのプロデューサーが若手の監督にこういう企画があるからプロットを出してと声がかけられて40人の監督が出し、その中で名前も経歴も出さずにストーリだけ見て、是枝監督が決めていくということなので、どうなるかなって思っていたんで、選んでもらった時はうれしかったです。私が中1ぐらいかな?映画をちゃんと観始めたときに「誰も知らない」をはじめ、是枝監督の作品が自分の中でブームとなっていて、そういう憧れの方と仕事ができてラッキーだったなと思いました。
-本作品を通じて観客に伝えたいことは?
10年後を描くときにまず10年前を振り返ったんですよ。私は一番変わってしまったなて感じたのが311の地震が起きてその後原発の事故が衝撃的で、今まで空気が怖いとか今まで考えたこともなかったことなので、日本が原子力のたいこくだし、それをちゃんと問題意識として目を向けないといけないなと思って、日本の問題の1つとして観て頂けたらとおもいました。
-今後はどのような映画を撮っていきたいですか?
今まで身近なことをずっと撮っていたので、今回はこういう社会的なことを考えてただくような作品が撮れたのは、自分にとって勉強になました、またこういう作品も撮れたらいいなと思います。女の子が成長する話とかが私の根本で撮りたい話で、今回の映画にも通じていることなんですけど、そういう話しが撮れたらいいなと思います。

(Photo Asian pop up Cinema/ 文 Kunie Dohman/ 取材日時2019年3月11日)

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