日本では、高校生の約70%が公立校に在籍しています。しかし、帰国生の場合は、約70%の生徒が私立校に進学しています。
それは、私立高校に比べ、公立高校の帰国生受け入れ条件が厳しいためです。例えば、公立高校入試は、高1の4月までに現地校の9年生を修了していることを出願条件としている場合が目立ちます。また、北海道、福島、千葉、東京、神奈川、富山、石川、静岡、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良、岡山、福岡、大分の17都道府県では、特定校のみしか受験できません。編入の場合には、すべての都道府県内のすべての高校を受験できるのですが、欠員がある場合のみの受け入れとなりますので、入りたい高校が受験できない場合も多いからです。
一方で私立高校では、帰国生の受け入れに積極的な学校も多く、受け入れ条件が柔軟な学校も目立ちます。中には、多数の帰国生を受け入れている学校もあります。
以下に、帰国生を受け入れている高校を、全生徒数に占める帰国生の比率が高い順にまとめました。帰国生の占有率が20%を超える=5人に1人以上が帰国生という高校が7校、10%を超える=10人に1人以上が帰国生という高校が25校もあります。また、占有率は10%を下回るものの、100人を超える帰国生が在籍している高校もあります。帰国生の占有率が高いことや帰国生数が多いことが、帰国生にとって良い高校とは言い切れませんが、これらの高校には、進学実績が高い、有名大学を併設している、英語力の高い生徒が多く英語や国際教育が充実している、寮を設置しているなどの特長を持った学校が目立ちます。


《執筆者》
丹羽 筆人(名古屋国際中学校・高等学校 アドミッションオフィサー北米地域担当 )河合塾での指導経験を経て、米国ではCA・NY・NJ・MI州の補習校・学習塾にて指導。現在はサンディエゴ補習授業校教務主任。代表を務める「米日教育交流協議会」では、日本語・日本文化体験学習「サマーキャンプ in ぎふ」を実施。他に、河合塾北米事務所アドバイザー。
●お問い合わせ先: nihs@ujeec.org(名古屋国際中高)