【第114回】帰国生中学・高校入試・編入面接対策

2021年度帰国生中学・高校入試がスタートしています。帰国生中学・高校入試及び編入試験では、ほとんどの学校で面接が実施されます。入試で合格するためには、国語・数学・英語などの学力試験の成績に加え、面接の評価も重要です。では、面接ではどのようなことが聞かれるのでしょうか。以下は、帰国生入試の面接での質問の一例です。

・海外での生活で印象に残ったことは何ですか。

・あなたが暮らした国の学校と日本の学校とは、どのように違いますか。

・日本の友達が、あなたの住んでいた国に旅行に行くとしたら、どんなアドバイスをしますか。

・日本を知らない人に、日本のことをどのように紹介しますか。

・海外での経験を、今後どのように生かそうと思いますか。

・国際人に必要なものは何だと思いますか。

 これらは帰国生入試の面接ならではの海外生活に関する質問の例です。帰国生入試に限らず、入学試験の面接で必ずと言ってよいほど聞かれるのは志望理由です。「志望校のどこに魅力を感じたのか。」、「入学後に勉強や課外活動にどのように取り組むのか。」、「高校卒業後は、どのような進路を希望しているのか。」などを具体的に説明し、面接官の先生方に入学したいという熱意を分かっていただく必要があります。志望理由は、面接官の先生方が最も知りたいことなのです。なぜならば、志望理由を確認することによって、その受験生の入学後の学校生活への積極的な取り組みや、卒業後の活躍を想定することができるからです。

 その他、特技や長所・短所や家族のこと、海外生活で体験したことや在住した国や地域のこと、日本についての知識や印象、最近のニュースや読んだ本のことなどを聞かれることもあります。

 以下に、海外在住中から行っておきたい面接対策のポイントを記しますので、参考にしてください。

①志望理由を明確にする

 →学校ごとの特徴を十分に理解し、「なぜ入学したいのか。」という理由を言えるようにする。学校の特徴をウェブサイトやパンフレットで調べ、入学後に何をどのように頑張りたいのかを具体的に考える。

②将来の目標を持つ。

 →卒業後の進路(大学・学部・職業など)と入学後に頑張りたいことが結びつくことが望ましい。

③自分を見つめる。

  →自分が何に関心があるのか、何に向いているのかを考える。(特技・趣味・長所・短所など)

④滞在国を知る。

  →自分が暮らしている国や地域の特徴(人口・文化・歴史・産業など)を理解する。

⑤国際社会や日本に目を向ける。

  →ニュースをキャッチし、その内容を理解するとともに、問題意識を持って考える。

 これらの面接対策は、保護者も一緒に取り組んであげてください。日常生活においても正しい日本語を使って話したり、帰国後の学校選びや将来の進路などについて話し合ったりすること、つまり親子で会話することが大切です。

 現在は、新型コロナウイルス感染症の影響で、オンラインで面接が行われることが多くなっています。自宅で面接を受けられるので、試験場で受けるような緊張感はないかもしれませんが、言葉では表れない自分自身を伝える難しさもあります。親子でじっくり練習してみてください。

《執筆者》

丹羽 筆人(名古屋国際中学校・高等学校 アドミッションオフィサー北米地域担当 )

 河合塾での指導経験を経て、米国ではCA・NY・NJ・MI州の補習校・学習塾にて指導。現在はサンディエゴ補習授業校教務主任。代表を務める「米日教育交流協議会」では、日本語・日本文化体験学習「サマーキャンプ in ぎふ」を実施。他に、NIC国際高等学校・名古屋商科大学アドミッションオフィサー北米地域担当、河合塾海外帰国生コース北米事務所進学アドバイザー。

●お問い合わせ先:E-mail nihs@ujeec.org(名古屋国際中高)