【第292回】小川地球村塾大盛会

金木犀の薫りに包まれユネスコの学習、小川地球村塾大盛会

 先頃第16回小川地球村塾Partyを開いた。日本を代表して長くユネスコに携わってこられ、「ユネスコと歩いた50年」の著書のある野口昇氏を講師に迎えてしっかり学習をし、アメリカからの客2人、MikeさんとLisaさんともども40人以上の参加者が楽しく交流した。Mikeは筆者がCincinnatiの Xavier Universityで日本語、日本文化を教えていた頃の教え子、42歳の今まで25年近いお付き合いなので敬称略だ。前回このPartyに参加した(連載コラム第284回)ときは我が家に宿泊したが、今回は仕事の関係で八王子のホテルに1週間滞在、その間、立川や三鷹の英会話サークルに招かれたり、三鷹の森ジブリ美術館や、昭和、大正天皇の御陵訪問等、日本滞在を十二分に楽しんでくれた。LisaさんはAmerican Airlineのフライト・アテンダントだが、乗ったご縁でDFWのお宅にまで招待、滞在させてくれた人。野口氏の講演概要は、*ユネスコと歩いた50年のご自身の履歴を紹介。*ユネスコの概要*世界遺産条約が制定されたとき大変な難産だった話。*東アジア5カ国子ども芸術祭を開催、2回目の福岡会場で、韓国と北朝鮮の子供たちが一緒に歌ったのが「アリラン」だった。等。
 年2回のこの会が終わる度、「今回が一番良かった!」と思うのだが、また今秋も「今回が一番充実していた!」と思えたのは幸せだ。野口先生に学べたことの喜びが参加者から電話やメールで多く届いたので少しだけ、しかもそのコメントも最短にさせて頂いて。

重さん:昨日は多文化共生の集いで大変お世話になりました。いつも思うのですが、小川地球村塾に集まる方々はまぎれもない地球人になっておられると感心し、ご夫妻の考えが共有されていることに敬服しております。どうかこれからも健康に注意されて異文化理解・多文化共生の学びを深めさせて頂きたくお願い致します。

忠さん:昨日は楽しいひと時を有難う!野口さんのお話は、講演会などでないと聴けない大変参考になるお話でした。著書を購入しましたので読むのが楽しみです。
PPT(スライド)を拝見するたびに想うのですが、各国の庶民の表情は明るく楽しいので、重要なのは国の経済だけではないことを知りました。経済は心掛け次第、お金は無いよりあった方がよいくらいに思うことにしました。

千代子さん、京子さん:野口さんのお話は大変興味深く、良い時間を過ごさせて頂きました。

フランス語でスピーチした由紀子さん:野口先生と知り合いになる機会を頂いて有難うございました。例えば、3か国語と人はいうけれど、3つの国の言葉ではなくて、3つの言語と言うべきなのだ、等、目から鱗でした。小川地球村塾での繋がりに心から感謝申し上げます。

クス子さん:サンティアゴ(チリ)巡礼をしてきましたのでご報告します。本日の、野口先生のお話はユネスコの基本理念が紐解かれ勉強になり、出席者の方々のスピーチも日常生活で忘れがちな、「生きる」上で心に留めたい言葉の数々が心奥に残りました。村長さまの「今、何をしているかが大事」、塾長さまの「若い人の手助けをするのが年配者の存在価値」という言葉が心に染みました。

最後に講師、野口昇様のコメント:「小川地球村塾の素晴らしいパーティーにご招待下さり誠に有難うございました。お宅に入ると、そこは地球村でした。集まられた方々も、地球村の理念に共鳴された素晴らしい皆さまで、ご夫妻とのご縁を大切にされていることがひしひしと伝わってきました。拙著についても特別のご配慮を賜わり感謝の気持ちで一杯です。村長さまがおっしゃたように、いつまでも好奇心を持ち、前向きに生きていくことが大切だと、改めて感銘を受けました。また、塾長さまの、1人1人への温かいお心使いと優しいお気持ちが、皆さんを引き付け結びつけているのだと、大いに学ばせていただきました。小川地球村塾の基本理念は多文化共生です。まさにユネスコの理念そのものです。本当に充実した素敵なPartyでした。」

通常は旅行記の地球千鳥足だが、国際協力に逆風が吹いているような昨今ゆえ、本稿は「半世紀に及ぶユネスコ人生」の野口氏に学ぶ会の報告になったこと、お詫び致します。

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(左上)開会の辞(右上)小川地球村塾、村長のスピーチ(左下)MikeさんとLisaさんのスピーチ。Lisaさんは日本語を勉強してるので通訳もしてくれた。(右下)フランス語のスピーチがあり、パリに長く滞在していた講師を喜ばせた!


文・写真/小川彩子

筆者プロフィール
<小川律昭(おがわただあき)> 86歳
地球漫歩自悠人。「変化こそわが人生」をモットーとし、「加齢と老化は別」を信条とし、好奇心を武器に世界を駈け巡るアクティブ・シニア。オハイオ州シンシナティと東京、国立市に居所を持つ。在職中はケミカルエンジニア。生きがいはバックパックの旅と油絵。著書は「還暦からのニッポン脱出」「デートは地球の裏側で!夫婦で創る異文化の旅」。

<小川彩子(おがわあやこ)>80歳
教育学博士。グローバル教育者。エッセイスト。30歳の自己変革、50歳過ぎての米国大学院博士過程や英・和文の著書による多文化共生促進活動は泣き笑い挑戦人生。「挑戦に適齢期なし」を信念とし、地球探訪と講演・発表の日々。著書は「Still Waters Run Deep (Part 1) (Part 2)」「突然炎のごとく」「Across the Milky Way: 流るる月も心して」ほか。
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