【第294回 】DFW空港・アメリカ

国内線は霧でDFW着陸不可能、が、超高速のある手段で国際線に間に合った!

 わがふるさとCincinnatiへ行って来た。連日友人と旧交を温め、大学院時代の恩師や新聞記者だった友人Dawnと、かつて映画レインマンの舞台になったPompiliosで食事をしたり、等、予期せぬ邂逅もあり、もちろん超楽しい里帰りだった。が、帰国の日にさらに面白い出来事があったので紹介したい。筆者の帰国ルートはシンシナティ-DFW(ダラスフォートワース)-成田だった。Cincinnati発6:00am、DFW着8:00am、成田行きは12:06発、DFWでは国際線に乗り換えのため4時間の余裕があるAmerican Airlineの切符だった。DFWは広い空港だが空港内移動に4時間みれば充分だ。だがなんと、Cincinnati発DFW行の国内線がDFWで霧のため着陸できず、しばらくDFW辺りの上空をグルグルとサークル飛行し、着陸の目途が立たず、燃料が切れOklahoma City空港に来て給油、ということになった。乗客は、我々夫婦以外は皆DFWが最終目的地のアメリカ人。フライトアテンダントは我々に、「あなた方は12時発成田行きですね!間に合うようにDFW に戻りますよ!」と言ったが、Oklahoma City空港に着いたとき9:50、その後飛行機が飛び立つ気配がない。「10:30にDFWに着く予定」とアテンダントは言ったが飛び立たず、気が気でない。「もう今日は飛ばないんじゃ?」と思った頃やっとOklahoma City空港を離陸、なんと12:00にDFW空港に着いた!成田行きは12:06、DFW空港は広い!飛行機から地上への通路を上がると2人乗りぐらいのミニ電車…幅の狭い腰掛と足乗せ台だけの乗り物…の傍にお兄さんが待っていて、夫婦でリュックサックごと腰かけると自分も乗り超高速で走りだした。転げ落ちそうになるミニ電車だ。お兄さんは美しいソプラノの大声で「Behind you, a train is coming! Behind you, a train is coming!」と叫び続けながら、筆者には「これ、$100の価値がある電車ですよ!」と話して運転し、なんとD 29の成田行きゲートへ。「間に合った!」。慌ててお礼を言い、「$100でなくてごめんね!」とチップを多めにあげゲートへ。ゲートにいた日本人女性が、「間に合ってよかったですね!」と言った。乗り遅れれば翌日の便になる。国際線、成田行きも12:06発の予定が12:15まで待ってくれていたようだが、あのミニ電車は広いDFWの空港内を10分かからずゲートに着いたのだろう。American Airlineの対応はすごかった!

(左上)Pompiliosで食事(右上)かつて映画レインマンの舞台になったPompilios(左下)DFW空港 (右下)アメリカンエアライン、国際線のアテンダントさんたちと

文・写真/小川彩子・律昭

筆者プロフィール
<小川律昭(おがわただあき)> 86歳
地球漫歩自悠人。「変化こそわが人生」をモットーとし、「加齢と老化は別」を信条とし、好奇心を武器に世界を駈け巡るアクティブ・シニア。オハイオ州シンシナティと東京、国立市に居所を持つ。在職中はケミカルエンジニア。生きがいはバックパックの旅と油絵。著書は「還暦からのニッポン脱出」「デートは地球の裏側で!夫婦で創る異文化の旅」。

<小川彩子(おがわあやこ)>80歳
教育学博士。グローバル教育者。エッセイスト。30歳の自己変革、50歳過ぎての米国大学院博士過程や英・和文の著書による多文化共生促進活動は泣き笑い挑戦人生。「挑戦に適齢期なし」を信念とし、地球探訪と講演・発表の日々。著書は「Still Waters Run Deep (Part 1) (Part 2)」「突然炎のごとく」「Across the Milky Way: 流るる月も心して」ほか。
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