【第130回】 帰国生に人気の高校は?

 前回は、帰国生に人気の国私立中学校について紹介しましたが、ここでは帰国生に人気の高校を、出願者数の多さと帰国生の全校生徒に占める比率の高さの2点にて紹介します。

 帰国生入試の出願者数が多い順にまとめてみたのが以下の表です。(2021年度入試)

順位校名所在地設置 区分男女 区分出願 者数オンライン入試
1国際基督教大学東京670 
2早稲田大学本庄埼玉287 
3青山学院高等部東京247  
4同志社国際京都233 
5慶應湘南藤沢神奈川228  
6中央大学杉並東京161  
7茗溪学園茨城122
8立命館宇治京都112
9青稜東京107 
10土浦日本大学茨城103
11文化学園大学杉並東京91
12東京学芸大学附属東京89  
13中央大学附属東京88  
14宝仙学園東京85 
15慶應義塾神奈川74  
16法政大学国際神奈川71  
17慶應義塾志木埼玉70  
18早稲田実業学校高等部東京67  
19渋谷教育学園幕張千葉63  
20栄東埼玉59  
21慶應義塾女子東京58  
22市川千葉55  
23西大和学園奈良54 
24かえつ有明東京51 
25淑徳東京50  

*設置区分-国:国立、私:私立 男女区分-共:共学校、男:男子校、女:女子校

 

 国際基督教大学高校が断トツの出願者数となっており、上位10位までが100人以上の出願者を集めています。また、出願者数の多い高校には、有名大学の附属校や系列校が目立ちます。高校入学後は受験することなく進学できるのが魅力なのでしょう。そんな中、大学の付属校や系列校ではない茗溪学園高校、青稜高校が上位に入っているのは、海外からでも受験できるオンライン授業を実施していることや、保護者の帰国先や時期に左右されず通学できる寮を設置していることなども影響しているでしょう。上位25校中でオンライン授業を実施している高校は7校で、寮を設置している高校は8校です。上位10校中では、オンライン入試実施高校は4校、寮を設置している高校は6校です。

 次に、帰国生徒数の全生徒数に占める比率の高い順にまとめました。(2021年度)

順位校名所在地設置 区分男女 区分帰国生数全生徒数比率
1南山国際愛知10111389.4 
2国際基督教大学東京52173870.6
3同志社国際京都52182063.5
4関西学院千里国際大阪12927946.2
5啓明学園東京11837331.6 
6茗溪学園茨城19483323.3
7頌栄女子学院東京15164923.3 
8かえつ有明東京12053622.4 
9富士見丘東京5930819.2 
10東京都立国際東京13271218.5 
11名古屋国際愛知7842518.4 
12立命館宇治京都209116717.9
13神戸市立葺合兵庫4123017.8 
14慶應湘南藤沢神奈川10972415.1 
15早稲田大学本庄埼玉148100214.8
16市川千葉191130414.6 
17成蹊東京13798413.9 
18文化学園大学杉並東京12393113.2 
19桐光学園神奈川233179413.0 
20大妻中野東京8568912.3 

*設置区分-公:公立、私:私立 男女区分-共:共学校、男:男子校、女:女子校、別:男女別学校

 

 上位4校は帰国生の受け入れを主たる目的として設置された学校でもあり、帰国生の占める比率は高くなっています。1位の南山国際高校は約9割が帰国生なのですが、2023年3月に閉校となります。5位の啓明学園は、3人に1人が帰国生、6位から8位の高校は、5人に1人が帰国生ということになります。上位20校は首都圏や京阪神の高校が目立つ一方で、茨城県の茗溪学園、愛知県の名古屋国際が入っていることや、20校中6校には寮があることにも注目できます。

《執筆者》

丹羽 筆人(名古屋国際中学校・高等学校 アドミッションオフィサー北米地域担当 )

 河合塾での指導経験を経て、米国ではCA・NY・NJ・MI州の補習校・学習塾にて指導。現在はサンディエゴ補習授業校指導教諭。代表を務める「米日教育交流協議会」では、日本語・日本文化体験学習「サマーキャンプ in ぎふ」を実施。他に、NIC国際高等学校・名古屋商科大学アドミッションオフィサー北米地域担当、河合塾海外帰国生コース北米事務所進学アドバイザー。

●お問い合わせ先:E-mail nihs@ujeec.org(名古屋国際中高)