総合内科医 第17回「アレルギー」

アレルギーには経口薬と点鼻薬の併用が良い!(症状に合わせたベストな使い方をご紹介します!)

 長い冬が終わり訪れる春。シカゴの春は4月から5月にかけてたくさんの草花が一斉に芽吹く緑の時期です。薄いピンク色の花が盛大に咲き始めるマグノリアの木、そして白いリンゴの木も日本の桜にように並木いっぱいに咲いてくれます。その後にやってくるのが杉やヒノキの花粉!春の季節を困らせる天敵です。そして暖かいジメジメした雨はカビの季節のスタートでもあります。せっかくの暖かい春の日を涙とくしゃみと倦怠感🤧に襲われるのは本当に辛い…アレルギー持ちの人にしかわからない辛い日々。咳で胸も、のどもやられますよね。

 こうした時には薬に上手く頼りましょう。病気でないのに薬に頼りたくないからって、一日中エアコンや空気清浄機などで、毎回フィルター掃除を繰り返す生活はを続けるのが大変ですし、目も痒い、鼻は詰まる、鼻水もくしゃみも出る、空咳で横になると眠れなくなる。ひどい方は夜中に起きて胸がゼーゼーしているような時もあるでしょう。

 そうすると何がアレルギーの原因なのか調べればいいんじゃない、という方々もいらっしゃると思いますが、最近の薬は飲めば何が原因であれ効くので、わざわざ調べる必要性が減ってます。むしろアレルギーの薬の効き具合によってどの季節、時期に、どのような場所で効くかを意識することの方が重要だと思います。例えば春秋には2週間辛くて薬を飲む、冬以外は必要、猫がいる親戚の家に行った時や湿度の高い南方に住んでいるおばあさんの家に3日以上いる時に必要、などです。

 今はアレルギーの薬はほとんど市販化されて処方箋なしで、どこでも誰でも買える薬になりました。一番手に入りやすいのはクラリチン(ロラタジン)(Claritin=loratadine 10mg)。ガススタンドでもホテルのロビーでも空港のスタンドでもターゲットでも購入できます。また即効性があり使えるのがベネドリル(ジフェンヒドラミン)(Benedryl=diphenhydramine 25mg)。これは鼻炎にもじんましんにも効きますが眠くなります。睡眠薬としても使えます。ひどい時は両方一緒に飲むことによって速効し服用30分後には症状が収まり、24時間ほど効果が持続します。

 クラリチンと同じような効果がある薬は、現在4種類出ています。Allegra(アレグラ),Zyrtec(ジルテック),Xyzal(ザイザル)。これらは全てクラリチンと同じ作用と同じような副作用を持っています。それぞれジェネリック(後発品)も出ているので同じ棚に並べんでいるものを選べば薬効成分は一緒です。これらの薬の副作用はほとんどないと言っていい程ですが、緑内障と前立腺肥大の方々には悪影響がありますので、一時的ですが注意してください。

 今ご紹介した薬剤でもDが付いているClaritin-DやZyrtec-D,Allegra-Dには鼻水を抑えるphenylephedrine (フェニルエフェドリン)という薬が配合されています。これらは鼻水と鼻づまりに効果があるので鼻のアレルギー症状がひどい時には有効です。ただし、不眠、高血圧、食欲不振、動悸など副作用も多いので、使用は短い期間もしくは避ける必要がある方もいらっしゃるかもしれません。

 Dがついた薬が飲めなくって鼻づまりがひどい時には飲み薬と点鼻薬を併用して見ましょう。Flonase, nasonex, Nasocort, rhinocortなど同じアレルギーの薬剤の棚に並べんでいます。点鼻薬でも速効性があるのとないのとがあります。速効性があるものは実は風邪によく効く薬で、アレルギーのような3日間以上必要な薬剤は副作用が少ないものの方がいいでしょう。飲み薬と点鼻薬を併用することによって副作用なく、目や鼻そして体全体への効果が2-3週間維持できるはずです。

 アレルギーに薬を飲んでるのに効かない、という事をよく耳にします。そのような時には体を休ませてください。アレルギーは疲れたときに余計ひどくなりますし、アレルギーと思っていたら実は風邪だったということもあり、程度がひどいとき区別が難しいこともあり誤診されることもあります。体を休めても3-4日間でよくならなければ医師と相談してください。

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